賃上げを実現するためにはどうしたら良いでしょうかという問いはここ何十年と日本において行われてきています。
ひとまずの答えとして労働生産性=付加価値/労働者数 をあげましょうと言われています。

賃上げのポイントは労働生産性なので効率化して儲ける仕組みが出来上がれば必然的に給料はアップするという考え方です。

実際に労働生産性と給与は連動しているのか?

労働生産性という定義が少々難しいため、話を単純化しますと会社の利益が上がっていけば給与はどんどん上がっていくはずですね。

当然これは企業ごとに異なるため詳細な分析が必要なのですが、私の勤務していた会社に関しての事例です。

私の以前勤務していた会社は数年間にわたり増収増益を続けていました。ずっと右肩上がりで売上高、利益額は増えてはいたのですが、営業利益率は変動がなかったのです。

結局のところ人数増加に伴った売上、利益増加が発生していただけであり大幅な賃金アップはほとんどの従業員は実感できなかったと思います。

こんなに会社は儲かっているのに給与が上がらないというのはよくある話ですが、経営者の視点からすると会社の儲けの構造が変わり、営業利益率が上がらない限り安心して従業員の給与を継続してあげるのは難しいということになってしまします。

確かに労働生産性と給与アップは連動していそうです。会社の経営者側としては営業利営業利益率の増加は会社の構造を改革を伴うために課題としては重いものになりますが、それを達成すれば賃上げにつながる状況になるはずです。

労働者としての考え方も賃上げに影響する

では実際に労働生産性(営業利益率のアップ)が達成されたとして、賃上げが無事されるかというと私は必ずしもそうなるとは思っていません。

上場企業であれば株主からもっと儲けろというプレッシャーもあるでしょうし、上場してなければ儲けは会社にプールしておきたいと考えるかもしれません。

つまり会社の構造が変わって儲けられる会社になっても賃上げしないもしくは賃上げ幅が低い会社が出てくると思います。

そんな状況で今まで日本人の多くはその会社に残っていたケースが多いのではないでしょうか?給与をそのままにしても辞めない労働者のグループに対して経営者は賃上げしないと思います。

転職を活用していくしかない

賃上げを達成するためには、経営者側にもプレッシャーをかける必要があるということです。プレッシャーをかけても賃上げしないのであれば同業他社に転職をして賃上げを達成するという方法が手っ取り早いわけです。

必ずしも転職をしなければならないということを言っているのではないのですが、長期間にわたり会社に勤務して引退を迎えるという考え方を継続する限りにおいてはなかなか賃上げを獲得することは難しいのではないでしょうか。

そういう観点でもいつでも転職はあり得るというプレッシャーを経営者側にかけていくことで今の会社にいながら賃上げの可能性も高めつつ、それが難しければ外の世界に出ていくのが当たり前の社会にしていく必要があると思うのです。