2018年1月、厚生労働省は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成し「モデル就業規則」上で、それまで記載していた「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定を削除しました。
そして、新たに「第67条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。」という、副業を認める条文を追記したのがいわゆる副業解禁と言われる出来事です。
副業なんて実際は多くの人がやっていた
私の経験上の話ですが、比較的柔軟な考えの持ち主の人たちは、2018年以前も副業に取り組んでいました。正直会社に認められていない状況であってもやっている人はやっていたというのが実態だと思います。
要因としてはインターネット、SNSが急速に普及することによって、誰もが簡単に初期投資をかけずにビジネスを始められるようになったことは非常に大きかったと思います。
実際このような状況は会社は何となく理解はしていたが、あまり追求はせず、目に余るような状況が見られた場合はなんらかの注意喚起をしていたという印象です。例えば副業に力を入れすぎて本業の品質が著しく下がる、日中寝ているなどです。
副業解禁により副業の種類が少し変わってきたと思われる
私は管理職という立場を長く経験してきておりますが、副業については本業に影響がないのであれば、自由にやれば良いと思っていました。別のことをやることで確実に本業に良い影響も出るわけですからメリットの方が大きいと考えております。
ただ実態として副業をやっていた側の人はよほど信頼できる人でなければ隠してやっていたというのが実態だと思います。
基本的には副業のネガティブな側面を言われる可能性があり、本業にとにかく支障をきたす可能性があるならやるなというのが日本社会でのスタンスであったように思います。
しかし2018年政府が打ち出したこの副業解禁の動きは割と大きな日本社会の変容につながり始めたなという印象です。
副業の一般的なパターン
副業をやる場合、今までの多くは自営業的にビジネスを立ち上げる自営型、通常のアルバイトを曜日限定、時間限定で行うアルバイト型の2つであったと思います。
自営型の例としてはアフィリエイト、顔を出さないYoutuber、物販、エステサロン経営、FC経営など基本的には自営業を限られた時間でやっていくという感じのケースが多いと思います。
バイト型の例はコンビニ、学習塾、UberEatsなど一般的なアルバイトを土日などでやるということが多いです。
比較的新たな副業パターン
2018年の副業解禁後新しい副業のパターンが生まれてきたと思います。この副業解禁により多くの会社が副業をOKにしています。当然事前に申請が必要なのですが、今までは裏でコソコソやっていた副業を全面的にOKにしたわけですから、企業側が副業をしたい人を会社で活用しようという動きが出てきたのです。
例えば”Lotsful”というサービスを見ていただければ一目瞭然ですが、副業を募集している企業はかなりの大手が含まれているのです。
そしてこのサービスは開始3年で600社を超えたようです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000147.000071591.html
大手を顧客に副業をする
この新しい形の副業をきっかけに日本の会社の在り方が徐々に変わっていくのではないかと思います。わかりやすい例で言えば今までは人事の仕事をしていた人が営業にキャリアチェンジをしたいと考えた場合、基本的には転職をする道を選んでいたわけです。
しかしこの新しい副業形態であれば、人事をやりながら副業で人材エージェントをやり営業的な要素を学ぶということも可能になってきます。そしてもしその副業側で成果が出るということが明確になればそのタイミングで転職をするということも十分に可能になると思います。
この動きが進むのであれば、一人の人が一つの会社に所属するということが当たり前という世界が変わり複数の会社に所属するという働き方に変わっていく可能性があるのです。