ムーンショット目標というものがあるのをご存知でしょうか?将来の社会課題を解決するために、人々の幸福で豊かな暮らしの基盤となる具体的な9つの目標を内閣府が決定しその方向性を発表しているのです。

その目標の1番目に掲げられている2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現するということと今後の仕事について考えてみたいと思います。

https://www8.cao.go.jp/cstp/moonshot/target.html

そもそもムーンショット目標の背景にあるものは一体何か?

このムーンショット計画目標1を読んで正直何を言っているかわからないという人が大半なのではないでしょうか?簡単に言ってしまうと肉体や脳や空間や時間という制約をなんらかの技術的な革新で無くしていきましょうということを言っています。

その実現に向けて人々はサイバネティック・アバター生活が可能な状態を作り上げるそうで、具体的な目標として2050年までに、望む人は誰でも身体的能力、認知能力及び知覚能力をトップレベルまで拡張できる技術を開発し、社会通念を踏まえた新しい生活様式を普及させる。

2030年までに、望む人は誰でも特定のタスクに対して、身体的能力、認知能力及び知覚能力を強化できる技術を開発し、社会通念を踏まえた新しい生活様式を提案する。

という社会を実現しようとしているということなのです。
おそらくこれは日本の少子高齢化社会の到来に向けて、労働人口を増やすというアプローチも考えつつも(移民の受け入れなど)大きな技術革新により労働人口をバーチャルで増やせないかということが背景にあるようです。

簡単にいうとどういうことか?

そもそも特定のタスクに対して、身体的能力、認知能力及び知覚能力を強化できる技術ってなんだかさっぱりわからないのですが、 1つのタスクに対して、1 人で 10 体以上のアバターを、アバター1 体の場合と同等の速度、精度で操作できる技術を開発し、その運用等に必要な基盤を構築するということを目指すようです。

つまりある人の能力をコピーしてそれが10体同じパフォーマンスで動くようにできる技術ということだと思われます。

例えばある設計士の図面を描く能力をコピーできればその設計士が1週間で1つの図面しか書くことができなかったですが、10個の図面を1週間で描けるようになるといったことのように思えます。

そもそもそんな需要があるかどうかは置いておきます。ただそれができればより少ない人でより多くの成果を出すことが出来るようになると政府は思っているようです。

パーマンのコピーロボットが実現するということか?

パーマンのコピーロボットをご存知でしょうか?パーマンは藤子・F・不二雄先生の漫画で宇宙人からもらったパーマンセット(マスク、マント、バッジ)を装着すると怪力や空を飛ぶ能力などを授かり、その力を生かして正義のヒーローになるという物語です。

その漫画にコピーロボットというものが出てきます。鼻の赤い人形なのですが、その鼻を押すと押した本人と全く同じ形のロボットとして起動します。基本的にはボタンを押した人と同じ能力を持ち行動するのですが、そのコピーロボットと本人がおでこを合わせるとコピーロボットが活動した記憶が本人にインプットされる仕組みになっています。

色々と悪巧みをする人が増えそうではあるロボットではあるのですが、ムーンショット目標的には日中SEとして勤務するAさんが同じ時間帯に別の会社でも勤務できることが可能になります。つまり生産性が一気に倍になるということです。

仮にこのようなことが起こるのであれば働き方というのは我々の働きか方は一気に変わりますね。